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空き家活用で地域をつなぐ~家主さんの声

2016年11月01日

山村地域で増加している空き家。活用して移住者を迎え、地域をつなぐのか、放置して地域を諦めるか。選択が問われています。活用を選択された3人の家主さんを取材しました。

house思ったより簡単に賃貸契約できました。

大島正治さん【旭地区】

「楽しいよ〜。朝来ると子どもが出てきて迎えてくれる。かわいいよ」。空き家を貸した今でも、敷地内にある田畑や倉庫に行くために家の前を通る家主・大島正治さんは満面の笑みでそう語ります。
 築120年を越える正治さんの生家は町内でも特に高い場所に位置し、行き来に急な坂を上り下りする必要がありました。高齢になると不便に感じることが増えると危惧し、3年半前に他の場所に新築したそうです。町内では5年ほど前に、空き家情報バンク制度を通じて移住して来た家族がいて、それを知っていた正治さんは「いずれ空き家情報バンクに登録しよう」と考え、暇な時間を見つけては片付けをする日々を続けました。2年が経ち、もうすぐ片付けが終わるという目途がたった平成27年9月、空き家情報バンク制度に登録をしました。登録の際に必要となる申請書は、支所の担当者と内容を確認し合いながら作成したため「苦ではなかった」と正治さんは言います。申請からほどなくして、入居を希望してきたのは、町内出身で奥さん、子ども2人のいるUターンの男性。正治さんも近所の人も、幼い頃の彼を知っていたため、地域面談はとても和やかな雰囲気で、満場一致で入居してもらうことに決まったそうです。


 賃貸契約は初めての経験でしたが、「市と協定している宅建協会が作成した書類に、目を通して印鑑を押すだけだったから悩むことなかったよ」と正治さん。「もし貸さずに家が傷んでいくのを見るのはさみしかったと思う。住んでもらって、良い気持ちだよ」と、晴れ晴れとした表情です。


house信頼できる制度を利用して、長く住んでもらえる方が見つかり満足しています。

鈴木善彦さん【下山地区】


 「空き家は人が住んでいないと、どんどん傷んでしまうのがわかっていたので、以前から知人に紹介された人に直接貸していました。ちょうど入居者がいないタイミングで里楽暮住(りらっくす)しもやま(※)のメンバーの方から空き家情報バンク制度のことを聞きました」と鈴木善彦さん。話を聞いた1か月後の平成26年度9月には登録をしました。
 もともと貸すことに抵抗は無かったそうですが、市役所の制度だと聞いて信頼できると感じたことが、登録の決め手だったといいます。その3か月後には地域面談を行い、現在の入居者を選びました。「地域の草刈に参加すること、家の周りをきれいにしておくことをお願いしました。住み始めてから、草刈はもちろん、組のお付き合いにも積極的に参加していただいているので、地域の方も喜んでいます」と善彦さんは満足そうです。
 市と協定している宅建協会が仲介に入ってくれたので安心して賃貸契約ができ、書類作成の煩わしさも無かったそうです。入居者が補助金を申請して家の修繕をしたので、その手間もかかりませんでした。「直接契約をしていた頃と比べると、今のほうが家賃はちょっと低いですが、良い入居者が見つかったり、契約がスムーズにできたり、助かることが多いです。家賃そのものより、入居者の方が地域にとけこんで長く住んでもらえることを大事に思っているので、空き家バンクに登録して良かったと感じています」と善彦さんは喜んでいます。
  (※)下山地区で定住に取り組む団体


house片付けは大変だったけど、よいきっかけになりました

星野英子さん【足助地区】


 今の入居者とは、顔を合わせればあいさつしたり、野菜がたくさん取れればおすそ分けしたり、自然な感じで交流があります。地域の草刈りにも出てくれるし、田植えや稲刈りも手伝ってくれて助かっています。何よりお子さんの声が聞こえてくるのが賑やかでとっても良いですよ」と声を弾ませる英子さん。
 10年程前に近くに家を新築したため、嫁いで30年住んでいた家が空き家になったといいます。必要なものは全て新居に運び、2〜3年は物置きのように使っていました。「いずれ息子夫婦が戻って来たときに片付けて家を修理しよう」と英子さんは思っていましたが、地域の定住委員から「空いている家があるなら、良かったら貸してもらえんかね?」と声を掛けられたことがきっかけで、誰かに入居してもらえば、風が通って家が傷まないと感じ、貸し出すことを考えたそうです。いざ片付けに取り掛かると、古着、陶器などの不用品が山のように出てきて、親戚に伝ってもらい丸2日かかったといいます。「きっかけがないと、使ってない場所ってなかなか片付けできないじゃないですか。大変だったけど、貸すことにして良かったです」と英子さんは笑顔で話します。その後、大工であるご主人が床、台所、風呂場などを改修しました。現在の入居者との賃貸契約は2年間ごとの更新とし「息子夫婦が急に戻ってくることになっても困らないようにしています」と教えてくださいました。

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