おいでんさんそんSHOWピックアップ

『子どもたちの学び場を守る』ために、移住者受入れに向かって地域が変わる

2018年05月02日

前列:(左)つばさと根っこの会副会長 柴田典子(しばたのりこ)さん(右)副会長 加藤久美子(かとうくみこ)さん   後列:(左から)松平地域会議会長 加藤勝信(かとうかつのぶ)さん、林添自治区長 古川悦次(ふるかわえつじ)さん、長沢自治区長 加藤正樹(かとうまさき)さん、滝脇自治区長 佐野勝之(さのかつゆき)さん


おいでん・さんそんセンターは、山村地域の自治区の要望に応じて、「移住者受入れガイドブック」を使った出前講座を行っています。

昨年度末から、今年度の始めにかけて、松平地区の3つの自治区から、連続して依頼がありました。11月に滝脇町自治区、1月に林添町自治区、2月に長沢町自治区で行った講座に参加した皆さんの表情は真剣そのものでした。この3つの自治区は、滝脇小学校区内にあります。

今回、滝脇町、林添町、長沢町の各区長と、小規模特認校である滝脇小の推進委員会である「つばさと根っこの会」の副会長のお二人に、お話を伺いました。
  

滝脇小学校区の未来

名古屋大学が監修している人口推移データによると、滝脇小の児童数は、現状のままいくと2040年には10人を切る見込みとなります。しかし、一年で2世帯の子育て世代が移住してきた場合、2040年の児童数は40人と予想され地域が持続する可能性が高くなります。前述の出前講座ではグラフを使い、センター長の鈴木が説明させていただきました。




この推計を聞き、「まさに自分たちの問題だと感じた」と滝脇自治区長の佐野勝之さん(65)。「私の住む組の世帯は20軒から10軒に半減しています」と実感を述べます。長沢自治区長の加藤正樹さん(66)も、2年後には、自治区内から滝脇小へ通学する児童がいないという状況に危機感を募らせています。

佐野さん、加藤さん、林添自治区の古川悦次(68)さんに、滝脇小の印象を聞いてみると、皆さん口を揃えて「子ども達の成長が素晴らしい」と強調していました。

愛鳥活動で子ども達が活躍

滝脇小は、明治6年開校。昭和41年から愛鳥活動に取り組んでいて、近年では毎年、「愛知県知事賞」を受賞、平成29年度には、全国野生生物保護実績発表大会で「文部科学大臣賞」を受賞するなど、高い評価を受けています。

「子どもたちが野鳥調査についての結果報告をしている姿を見ると、ひとりひとりが主役だということを実感します」とつばさと根っこの会・副会長の柴田典子さん。滝脇小は小規模特認校なので、豊田市内に在住の児童であれば、学区を越えて入学・転入することが可能です。  

柴田さんの説明によると、平成21年に児童数が13、実家庭が8になり、このままでは閉校になってしまうと感じた保護者が、つばさと根っこの会を立ち上げ、特認校の認定を受けることになったそうです。

学校、保護者、地域をつなぐつばさと根っこの会 

特徴的なのは、つばさと根っこの会には、保護者と学校だけでなく、自治区も参加していることです。会の立ち上げ当初に行った三重県いなべ市にある小規模特認モデル校の視察、今年の9月30日(日)で第9回目となる「滝っ子まつり」というイベントの開催、年に6回の野鳥の森の整備活動の全てに自治区が関わっています。

柴田さんと同じく副会長を務める加藤久美子さん(42)は、「つばさと根っこの会ができたことで、小学校と保護者、3つの自治区の絆ができた」と話します。
今年度の児童数は、37名。そのうち6名が特認校制度を使って通っています。昨年12月には、特認で通う児童が空き家バンクを利用して家族で移住してきたという嬉しいニュースもありましたが、「今後、児童が減り続けることに不安がある。地域が移住対策に取り組んでいくことに期待したい」と柴田さんは言います。

移住者受入れのため前進 

滝脇町自治区は、5月27日(日)に、林添町・長沢町自治区では、6月9日(土)に、『中山間地域等の建築特例(豊田市開発審査会基準第18号)』の勉強会を開催することが決まっています。どうしたら移住希望者を受け入れるために、家が建てられるようになるのか。「知らなかったら説明もできない。勉強して対策を立てられるようになりたい」と加藤正樹さんは意気込んでいます。古川さんは、「今までの慣習について若い人たちとも意見を摺合せながら、地域も変われるところは変わっていけるチャンス」と前向きな姿勢を見せていました。

移住者受入れの機運が高まる滝脇小学校区を、今後も注視していきたいと思います。(木浦幸加)



松平地域会議会長 加藤勝信さん(64)


今、人口減少に歯止めをかければ何とかなるのではないか、と加藤さん

松平は歴史を活かした観光地として、松平氏の歴史を継承し、後世につないでいくことを1番の目的としています。 昨年12月に、おいでん・さんそんセンターの鈴木センター長の出前講座を聞き、現状のままでは、地域が消滅に向かってしまうことへの焦りを感じました。 地域会議で、移住・定住対策に取り組んでいきたいということを、前支所長に相談し、これまで取り組んできた3つの分科会のうち、1つを来年度「定住分科会」に切り替えるように、準備を進めていくことに決めました。

今後は、住民の方たちに松平地区として、移住・定住に取り組み始めたということを認識してもらい、空き家情報バンク制度への空き家登録を増やすことや、Uターン者を増やすためのアイデア出しを皆さんと取り組んでいきたいと考えています。

東京から夫婦で松平に移住した加藤奈美さん(33)


7月に出産予定の奈美さん。松平で子育てできることを楽しみにしている。

主人が無農薬野菜の栽培を学ぶため、研修先に選んだのが、野菜を定期的に取り寄せていた松平地区の松本自然農園でした。 昨年の3月に、東京都から豊田市内に転居し、アパートで暮らしながら、松平地区での家探しを始めました。松平支所の方にも相談に乗ってもらい、3軒ほど空き家を紹介してもらった後、現在入居している家に決めました。

今年の3月末に引っ越して、4月からは畑を借りて本格的に農業を始めています。松平は、野菜を販売するのに名古屋方面へも行きやすく、また、私の実家(川崎)にもインターからすぐに帰ることができる利便性があると思います。自然豊かな環境で暮らせることを嬉しく思っています。

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