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地域に学ぶ~ジビエを通じたいのちの授業ー山里ならではの高校教育

2018年07月05日


6月9日(土)、新盛町の扶桑館で、県立足助高校による「地域に学ぶ〜ジビエを通じたいのちの授業〜」が開催されました。
 足助高校は、次年度に観光やサービス業への就職、商科大学への進学を目指す「観光ビジネス類型」を新設します。それに向け、特産品のジビエについて背景や加工の工程を知ることで、〝いのちの循環〟を学び、地域や企業と連携した地域貢献を考える課外授業として行われたもので、山里の高校ならではの魅力的な授業となりました。10名程の募集に対し、28名もの生徒が集まりました。

増える獣害と、その対策

 ジビエとは、狩りで捕獲して食用にする野生動物を指すフランス語。近年、里山に人が入らなくなったことでイノシシやシカなどが増加し、田畑を荒らす被害が深刻化しています。また、捕獲後、食肉として利用される頭数が全体の一割程と少なく、大半が山中に埋却されています。 それを、地域の特産品として消費を増やそうという動きが全国で広がっています。


ジビエの知識を深める講義の様子。生徒からは質問が相次いだ。

地域で活躍するジビエのプロの話

授業の前半は、ジビエの知識を深める講義で、農作物を荒らすイノシシやシカの被害状況、捕獲の仕方と頭数、ジビエの加工や特性、料理方法について、地元のプロからレクチャーがありました。
 (株)山恵の鈴木良秋さんは、獣肉加工施設を開業した経緯について、「適切に加工すれば価値ある山の恵み。できるだけみんなに美味しく食べてもらいたいという想いで始めました。」と話しました。
 猟師でありジビエカフェMuiのオーナーでもある清水潤子さんからは、「カラスも美味しいですよ。でも、アライグマが一番ですね。」と驚きの発言がありました。
 生徒から、「獲物を仕留めた時はどういう気持ちですか」と質問が出ると、猟友会の安藤正秀さんは、「初めて仕留めたときは夜うなされ、一週間ぐらい変な感じが残っていました。早く生態が落ち着いてくれるといいと思っています。」と語りました。
  

ジビエに触れてみる 

後半は、ジビエの流通や活用を知る授業として、㈱山恵による猪肉の解体体験、NPO法人しし森社中による鹿角ペンダントの製作体験が行われました。
 実際にジビエの解体を手ほどきしていただくことで、生徒たちは、季節による肉の特性、食肉に加工するまでの衛生管理や苦労を学んでいました。

企業とコラボしたカレー第2弾の発表会

同日に、足助高校生徒がイメージキャラクターをデザインし、(株)ワイズが商品開発をした地元産ジビエを使ったレトルトカレー「とよた里山 猪肉和風カレー」の商品発表会が開かれました。これは、昨年度おいでん・さんそんセンターのマッチングにより商品化した「猪肉キーマカレー」に続く第2弾。
 今回は、ゴロッとした柔らかい猪肉に、まろやかな和風だしを合わせたルーで、子供でも食べやすい仕上がりになっています。パッケージには、生徒が考案したイノシシのキャラクター「いのりん」が描かれています。
 発表会では、司会進行を生徒が授業の一環として務め、㈱ワイズの山本庸司社長が商品を紹介。地元の自治会長など関係者60名ほどに試食が振舞われ、「肉の食感がしっかりしている。コクがあって食べやすく、美味しい」と大好評でした。
 価格は、1パック(200グラム)650円。㈱ワイズが豊田市などで経営するカレーハウスCoCo壱番屋15店舗や、道の駅どんぐりの里いなぶ、松坂屋豊田店などで6月28日から販売されています。また、市内で開催されるイベントなどにも出店販売され、生徒がPR協力をしていく予定です。

いのちの循環を通して見えたこと

参加した新盛町在住で同校3年生の安藤千誠さん(18)は、「今回の授業の募集をみて自分の地元だということに驚きました。ジビエを知るいいきっかけになり、地元への愛着が深まりました。小さいときに祖父母が作ってくれた猪肉の燻製がやみつきになるぐらい美味しかったんです。自分を育ててくれた地域の方に感謝をして、自分がこれから出来ることを見つけ出していきたいです。」と話していました。
 生徒にとってこの一日は、〝いのちの循環〟を通して、世代のつながりを学ぶ機会にもなったのではないでしょうか。そして、足助高校が山里の立地を生かしさらに魅力的な高校になるよう期待しています。(坂部友隆)


新発売の「とよた里山猪肉和風カレー」後ろに見えているキャラクターを、足助高校生徒が考案した


カレーの試食をする生徒たち


カレーを試食する生徒たち


生徒が解体した肉は、BBQで食された

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