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足助には、町で商売する 生き方がある

2018年10月10日


 美しい紅葉で、世界中から観光客が訪れる足助地区の香嵐渓。駐車台数が一番多い宮町駐車場から、巴川にかかる待月橋までの道は、香嵐渓もみじまつりの間たいへんな賑わいを見せます。

山里の食文化を伝える味

 「かあさんの店花もみじ」は、この通りで今年の3月まで営業してきました。当時、足助町生活改善実行グループのメンバーだった60代の主婦たちが平成14年に店をオープン。地元で採れた農産物の販売や、それを使った食事の提供、オリジナル五平餅「あすけんぼう」の販売などを約15年間続けてきました。


花のように鮮やかな紅葉を意味する「はなもみじ」


15年間ありがとう 

今年の3月16日(金)には、それまでの労をねぎらうため「感謝祭」がありました。オープン当時に町長だった故・矢澤長介(やざわちょうすけ)さんは、「かあさんの店花もみじ」のメンバーに握手を求め、紅葉シーズンだけでなく、年間を通して営業していたこと、町づくりに大変な尽力をしたことを称えていました。


15年続けた「かあさんの店花もみじ」の感謝祭。真ん中 が、代表を務めた河合澄江(かわいすみえ)さん。


店じまいの経緯 

「もう止めたい」。花もみじ代表の河合澄江さんから、足助支所の地域振興担当に連絡があったのが昨年の7月。合併してから豊田市の建物を借りる形で営業しており、その期間は平成35年までとなっていました。しかし、メンバーそれぞれの家庭の事情や体調不良などにより惜しまれつつも店じまいすることが決まりました。 


「かあさんの店花もみじ」の開店式典(写真はCHIMONKENvol.42より) 


借受人を公募 

 借受人を公募 「人通りの多い場所にある建物が空き家になっては、宝の持ち腐れになってしまう」と動いたのが、前述の地域振興担当でした。建物の所管を足助支所に移してもらうように財産管理課に交渉し、昨年12月に新しい貸付人の公募を始めます。
 3者からの応募の中で提案書が採択され、契約者として選ばれたのが、丸根敬一(まるねけいいち)さんと鳥居健志(とりいけんじ)さんでした。

2人の出会い

 丸根さんは、幕末建造の旅籠屋「玉田屋旅館」の主人。鳥居さんは、足助町石橋にある「ろじうらのカフェバンバン堂」の店主。2人の出会いは、10年ほど前にさかのぼります。
 農的な暮らしを目指して移り住んできた鳥居さんでしたが、その生活がしっくりきていないと感じていました。そんな時、足助の町並みで夏に行われてる「たんころりんの夕涼み」を訪れ、その雰囲気に魅了されます。
「丸根さんがやっているような、古い町並みを活かした空間演出に自分も関わって
みたい」。鳥居さんは、たんころりんの準備に顔を出すようになり、丸根さんと親しくなっていきました。その後、イベントでの駄菓子屋や、やきいも屋の出店経験を経て、5年前にカフェをオープンさせます。


鳥居さんは現在でもイベント限定でやきいも屋をやっている


たんころりんの夕涼みでの玉田屋の趣ある出店の様子


人の流れを作りたい 

2人が不満に思っていたのは、香嵐渓への観光客の足が、町に向かないこと。「国道420号を挟んで、人の賑わいに雲泥の差がある。当然、売り上げも違ってきます」と鳥居さん。どうにかして人の流れを作りたいと思っていた2人にとって、花もみじの建物が使えるかもしれないという知らせは朗報でした。
 貸付人の公募に申込み、「香嵐渓への玄関とも言える場所で、香嵐渓だけでなく町並みの案内をすること、足助の名物を開発していくことなどを提案しました」と丸根さん。2人が選ばれたことについて、「彼らは昨年のもみじまつりの時期に、待月橋の手前の空き店舗を活用し、揚げたもみじまんじゅうや、ドリップコーヒーの販売などをしました。若い世代に人気のある店を実際に作って見せたのも評価に
つながったのではないでしょうか」と地域振興担当の杉本さんは言います。


昨年のもみじまつりで販売した通称「もみあげまん」は若い女性 に大人気だった


新しいアイデアを 生かした営業 

 4月から賃貸契約が始まり、ゴールデンウィークのカフェ営業、アンティーク着物を子どもに貸し出す「おひなさんぽ」、足助ゴエンナーレの本部会場など、様々な用途に使ってきました。今年の秋の営業では、提灯屋台を建物の入口と出口に2か所建てたり、新商品としてもみじ型のはんぺいを提供したりすることを考えています。来年度からは通年営業することを目標にしています。


今年のゴールデンウィークには、カフェ営業をした


足助で商売をする 生き方を見せる

 新しい「はなもみじ」としてスタートした建物の中には、モノクロの写真が飾られています。聞くと、大正時代に足助の住民がボランティアでもみじを植えた時に飯盛山の頂上で撮影したものだそう。「僕たちは、この人たちがいて、ここで商売をすることができる。もっと盛り上げていく使命があるし、この場所をその拠点にしたい」と丸根さん。ゆくゆくは、観光産業のキーとなるような企業にしていきたいという想いもあります。「雇用の場にもしていきたいし、自分もここで商売してみたい、という仲間も増えてほしい」と鳥居さん。
「豊田の田舎といえば、農的暮らしや、森林組合で働くことが真っ先に思い浮かぶと思うんです。でも、足助には、町で商売をする生き方もあるよ、ということを見せていきたい」。ただ単に、はなもみじで商売をするだけではない、その先の未来を二人は描いています。(木浦幸加)


「先人のおかげで現在がある」の想いから写真を飾っている


お知らせ

11月からはなもみじで一緒に働く仲間を募集しています。
興味のある方は、丸根さんにご連絡ください。090-1416-7587

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