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第9期豊森なりわい塾が始動~27名が農山村をフィールドに学び、社会・生き方を考える

2019年06月03日

様々な年代、属性の27名が来年の2月まで一緒に学んでいく


令和元年度第9期豊森なりわい塾がスタートしました。
 豊森なりわい塾は平成21年に、トヨタ自動車株式会社、特定非営利活動法人地域の未来・志援センター、豊田市が3者で豊森実行委員会を立ち上げた協働事業で、8期10年の実績があります。
 公募で募集した塾生が毎月一回、土日2日間を使い、農山村をフィールドに学びます。そこで得たことをグループでディスカッションし、多彩な講師陣による座学で深めます。集落の自然や暮らし、人々との触れ合いの中から生き方を見つめなおし、新たな価値を創出する「山村地域で活躍できる人材」を育成す
る塾です。
 今年度より、地元の中間支援組織である一般社団法人おいでん・さんそんが事務局として加わり、四者の協働事業となりました。一社が培ってきた山村地域とのつながりを活かして、9期のフィールドを選出。塾生と地域との相互の変化や成長を目指します。
 

入塾式

 5月18日(土)、豊田市足助交流館で9期生の入塾式が行われ、定員を大きく上回る27名が入塾しました。 豊森実行委員長の澁澤寿一氏は「いい大学に入っていい企業に就職して結婚をして、というすごろく式人生を送れば幸せになれるという時代ではなくなりました。かつて山村地域にあった持続可能な人々の暮らしに触れ、学ぶ中で、皆さんそれぞれの、これからの幸せのかたちを見つけてほしい。私たちスタッフはそれを一緒に考えていく仲間です」と挨拶しました。
 豊田市からは太田稔彦市長が「今や人生120年の時代。このままの人生・社会・国・地球でいいのかが強く問われています。塾生のみなさんには豊森での一年を始まりとして、ずっと豊田市や山村地域と関わってほしい」と、熱く語りました。
 


澁澤委員長は、入塾式の挨拶で「これからの幸せのかたちを見つけてほしい」と話した


トヨタ自動車株式会社からは社会貢献推進部の大洞和彦担当部長が挨拶。「豊森はトヨタ自動車の里山の再生・保全を目指したエコの森セミナーの後継プログラムです。当社からも10年で40名以上の卒塾生を輩出。森林ボランティアなどで山村との関わりを続けている社員も多く、地域課題と自分の人生を重ねる
機会になっています」と卒塾生の実践について触れました。
 (一社)おいでん・さんそんの鈴木辰吉代表理事は「これまで親戚の叔父さんくらいの位置から豊森を支え見守ってきたが、これからは事務局として親父並みの近さと熱で1人も取りこぼさずに関わっていく心づもりです。豊田市はSDGs未来都市に選定されたが、豊森はそのずっと前から地球規模の問題提
起を地域レベルでやっています。今はSDGsの認知度は20%に満たないが、それが70%になれば社会は劇的に変化するでしょう」と、今後の塾生の実践と発信に期待を寄せました。
 第9期入塾生代表として、市内で非常勤養護教諭として働く桑山奈々香さんが決意表明をしました。「得るために行動や思索のある『楽しい』という経験と、異業種、多世代、他地域の人との出逢いを豊森でたくさん得て、子ども達に伝えたいです」と瞳を輝かせました


入塾生を代表して決意表明をする桑山奈々香さん


第1回講座1日目 豊森のめざすもの/集落 をあるく、みる、きく

 入塾式の後、さっそく第一回講座がスタートしました。

 豊田市企画政策部の安田明弘部長より『豊田市の山村地域について』と題したレクチャーを受け、データを基に山村地域の問題提起と取り組みの実践例を学びました。澁澤寿一塾長からは『豊森のめざすもの』と題し、「目に見える風景の向こう側にあるくらしに目を向ける想像する経験を。食料自給率が1%に満たない東京・大阪圏は砂上の楼閣かもしれない。自然災害やシステム障害などでお金を使えなくなった途端に暮らしがたちゆかなくなります」など地域自治・農的くらしの価値やフィールドワークの意味について学びました。
 午後からは、旭地区浅野自治区浅谷町、足助地区明和自治区連谷町、下山地区波布自治区羽布町の3グループに分かれて「あるく・みる・きく」を実践するフィールドワークへ向いました。
 午前中に2つのレクチャーを受けたことで、地域で暮らし続けてきた住民の皆さんへ活発な質問が飛び交います。
 塾生たちはこれまで車で通過するだけだった地域に、自然に適った持続可能なくらしと、旧街道の歴史に沿う営みがあることを体感し、「地域を見る目が全く違うものになった」との感想を口々に言っていました。
 

第1回講座2日目 グループワーク/なぜいま 地域か

 フィールドワークで得た情報や体感した感想を基に、グループごとに発表を行いました。前夜の懇親会で寝不足気味ながら、初対面の塾生同士が協力し合って「お互い同じものを見ても違うものを感じている」という新鮮な驚きとともにまとめあげました。澁澤塾長の総評では
 「この地域で生きるとは?自分がもし移住するとしたら?移住できない理由とは?」と、課題
を自分ごとに引き寄せる投げかけがありました。
 お昼ごはんは、豊森卒塾生有志による「とよもり食堂」。卒塾生が育てた野菜や、茶葉を使った想いのこもった食事をいただきました。
 発表の後は駒宮博男副塾長によるレクチャー『なぜいま地域か〜現代とはどういう時代か』を聴講。山・小水力発電・経済学・農的くらしの実践。駒宮副塾長の洪水のような知識と情報量に圧倒される塾生が多数でした。50代の塾生は「幅広い分野の仕事をしてきたつもりだが、あるひとつの分野の狭い情報の中にいただけだったと気づかされた。これからの学びを思うとワクワクします」と感想を述べ、豊森での1年間への期待が膨らむ講座となりました。
 来年2月の卒塾までに、塾生と地域との間で起こる化学反応に期待したいと思います。(松本真実)


初日に行ったフィールドワークでは地元の方に案内していただき地域を歩いた


卒塾生有志による「とよもり食堂」のお昼ご飯


初日のフィールドワークについてグループで話し合う


澁澤委員長によるレクチャー

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