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地域を未来へ引き継ぐための新しい場『つくラッセル』始動

2017年11月02日

周りを山に囲まれた、旧築羽小学校の校舎とグランド


惜しまれつつ閉校した築羽小

平成24年3月に、134年の 歴史に幕を下ろして閉校した旭地区の築羽小学校。
国道153号を稲武へ向かって走り、明川交差点から県道366号線を小渡方面に4.5km。ゆるやかな坂道を上がったところにあります。
学校林を有し、入学と同時に自分の名前を付けた木を、継続的に測定するなど、緑に親しむ中で、緑を守り育てる子どもたちを育成してきた特色ある学校です。

再活用は「つくラッセル」

閉校後の小学校は、自治区の住民が市と使用契約を結び、グランドはマレットゴルフ場、体育館はレクバレーの練習に使用されてきました。
その後、文部科学省の「廃校活用プロジェクト」で対象物件になり、利用者を全国公募しても活用先が決まることはありませんでしたが、今年10月、5年半の歳月を経て、「つくラッセル」として再活用が始動しました。

活用団体が決定

今年の5月8日、築羽小跡地検討委員会で最終的に活用団体、「つくラッセル推進コンソーシアム」が選ばれました。代表機関の㈱M-easyをはじめ、一般社団おいでん・さんそん、名古屋大学、東京大学、築羽自治区、㈱ピー・エス・サポート、豊田市で構成された団体です。


つくラッセル活用のイメージ図


いつまでも旭地区で暮らし続けたい

再活用への道を開いたのは、㈱M-easy代表取締役の戸田友介さん(35歳)。
平成21年9月に、豊田市、東京大学と連携し、「日本再発進!若者よ田舎を目指そうプロジェクト」を旭地区で実施。平成22年3月に、築羽治区に、家族で移住しました。
同プロジェクトで、地域の人にお世話になったことで「旭地区でいつまでも暮らし続けたい」想いを強くした戸田さん。福蔵寺ご縁市を定期開催したり、旭 木の駅プロジェクト実行委員会の事務局をしたり。旭のファンづくりに尽力し、地域活動の担い手として活躍しています。


つくラッセルコンソーシアムの戸田友介さん


「住む人」「関わる人」に新しい場所を

少子高齢化が進んではいるものの、豊田市空き家情報バンク制度を通じて旭地区全体では、平成29年9月末までに、54世帯、128人が移住。森林ボランティア、豊森なりわい塾、大学、企業など、地域と交流しながら活動する団体が増加してきました。
「住む人」と「関わる人」が、これからも増えていくことが予想され、戸田さんは新しい場の必要性を感じ始めます。

旧築羽小を新しい基地に

地域に住む人が、安心して子育てできる、充実して年を重ねられる。遠くまで行かなくても、近くで稼ぎを得られる。地域に関わる人が、何度も気軽に訪問できる。
そこに集まる人たちが、お互いに関係し合いながら、自分たちのやりたいことを実現させていく。「旧築羽小を、そんな場所として使いたい。だから借りることにしました」と戸田さん。

つくラッセルの由来

昨年の春から、関係者と相談して名前は「つくラッセル」に決定。築羽の「つく」と、三河弁の「作る」の尊敬語「作らっせる」を掛けています。豊かな自然環境を活かして、なんでも作る。自分たちの地域を自分たちの手で作り直していく。そんな想いが込められています。

みんなの場として活用が開始

10月21、22日には、とよたまちさとミライ塾のプログラムとして「小中学生向け超小型EVで理系モノづくりキャンプ」が開催されました。移住者の情報交換として月に一回行われる、地域スモールビジネス研究会の会場としても使われています。 おいでん・さんそんセンターがコーディネートした企業の新入社員研修として、教室などの清掃作業もありました。
 地域によるマレットゴルフ場と、レクバレー練習のための体育館の利用は、継続されているそうです。
 他にも、インター ネット環境を整えた「みんなではたらく空間」、古材を新しい製品、建築材などに利用し価値を生む「古材レスキューセンター(仮)」、旭木の駅プロジェクトで出た木材を加工販売する「あさひDIYセンター」、「みんなのものづくり工房」が事業として企画され、開始に向けて準備中です。


月1回、体育館で開催されている地域スモールビジネス研究会


校門の近くに机を置き、青空ミーティング


ピザを焼く窯づくりのワークショップも開催された


どんな施設にするかではなく誰と作っていくか

これらは、地域の住民、関係者が何をやりたいか、何ができるかを出し合って形になってきた事業ばかり。
「施設でやることは、最初から決めるのではなく、誰とするかを大事にして作っていきたい。集まって来た人が、お互いに関係し合うことで、地域の未来をつくる担い手が育っていく場にしていきたい」と戸田さん。これからも、計画ありきではなく、場にいる人ができること、したいことに寄り添ってプロジェクト化していく予定だそうです。

築羽小の閉校式で児童が述べた「このつくばで育ててもらったことを胸に、自分たちの未来をつくっていきます」というお別れの言葉。その心根が引き継がれるかのように、つくラッセルという場が動き始めています。(木浦幸加)


築羽小学校閉校式の様子

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