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木の駅プロジェクト

8月23日
「旭・木の駅プロジェクト」定例会に参加してきました。
2009年に岐阜県恵那市で始まったこのプロジェクト。規格から外れ、材にならずに放置されてしまっている間伐材を山主自身が山を切り、地域通貨に代え、森林の保全を行うとともに地域活性化をはかる取り組み。開始から4年目の現在では鳥取県智頭町、愛知県新城市、岐阜県大垣市、高知県土佐町など全国に広がりをみせています。

モリ券

豊田市旭地区では、2011年にこのプロジェクトがはじまり、総勢52名の山主さんが参加されています。
山から切った2m以下の間伐材を、地区内4ヶ所に設けられた広場「木の駅」に集め、業者が回収します。
4期目の昨年度、当初目標としていた出荷量は300t。しかし蓋を開けてみたら、予想を上回る350tの間伐材が出荷されました。
出荷業者が受け取る間伐材の対価は1tあたり6000円(1㎥あたり5000円)。内訳は3000円/tで業者がチップ原料として買取り、残りの3000円はNPOや豊田市などが負担しています。受け取るお金は地域通貨「モリ券」として戻ってくる。地域通貨に代えることで、旭地区内の商店で買い物をする人が増えているようです。「普段来ない人が来てくれるようになった」と新規のお客獲得や売り上げアップにもつながっているそうです。
旦那さまが切った間伐材で「モリ券」を受け取り、奥様がその「モリ券」で買い物をする。とてもすてきな仕組みだと感じました。

自分たちの山から生まれること

今回の定例会議題として、土場の利用会の開設提案や、安全に利用できる出荷方法の見直し、販路の多様化、会計の適正化などが挙げられました。
世話人を置き、土場ごとに出荷者同士の交流をはかること。50-100cmといった短材は長材と分けて堆積したほうが効率的、乾燥による重量換算率の適正化、モリ券使用商店カタログの作成案など、まだまだ手探りの状態で行っているプロジェクトゆえの議題は尽きません。
その中で、名古屋市中区錦2丁目商店街との交流も紹介されました。農山村だけではなく、街中だからこそ日中と夜の人口の違いによる過疎化が生まれるという問題の中で、活性化に向けた取り組みが行われています。旭・木の駅プロジェクトでは、屋上でのミツバチ飼育用に間伐材を提供したり、DIYを行うビルや道路で休憩できるようなウッドデッキの設置などに間伐材の提供をしているそうです。自分たちの山を間伐するという取り組みが街との交流につながることになるなんて、思ってもみなかった嬉しいつながりが生まれています。

「軽トラ(トラック)とチェーンソーで乾杯を。」

定例会に参加してみてなによりの印象は、参加している山主さんたちが楽しんで行っているということ。まだまだ5期目、いろいろ問題はあるけれどみんなで話し合って、「楽しんで、気(木)を長くしてやっていこう」という姿勢が、このプロジェクトが広まっていく理由ではないかと思います。自分たちの山を自分たちの手できれいにしていく人たちの輪は徐々に広がりをみせています。
さんそんセンターとしても、情報発信などで応援していきたいと思います。
(安藤)

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