2015.06.24

豊森なりわい塾 第2回講座「森林」 レポート1/2

6/20(土)、21(日)
 豊森なりわい塾の第2回講座に参加しました。今回のテーマは「森林」。森林の機能や歴史、課題、また日本人はいかに森と共に生きてきたかという事を学ぶ講座でした。2日間に渡ってとてもボリュームのある内容でしたので、全てレポートするのは難しいですが一部を簡単ながらご紹介させて頂きます。(地域おこし協力隊・坂部)

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6/20(土) 場所:豊田森林組合足助支所、旭の山林、築羽会館

【豊田市の森のこれまでとこれから】講師:豊田市産業部・原田部長
 まず始めに森林の持つ機能についてレクチャー頂きました。森林には「公益的機能」と「林産物生産機能」の2つの機能がある。森林と聞くとまずは木材を産出する場だと考えるが、その他に水源の涵養、災害防止、生物多様性、環境形成など人間が生きることに欠かせない公益的・多面的な機能を持つ。そして、植物学的に森林の植生がどう遷移していくのか、またその中で日本人は森林という資源をいかに活用してきたのかを学びました。今では里山という言葉でひとくくりにされてしまう日本人の営みについてもとても分かりやすく解説頂きました。

【豊田森林組合について】

講師:豊田森林組合・林専務、成瀬さん、安藤(久氏)さん、豊田市産業部・原田部長
 豊田森林組合の業務内容を説明頂き、原木市場の見学をしました。市場の見学では原木丸太の相場感や品質の見極め方についてレクチャーを受けました。私たちA班は安藤(久氏)さんに引率頂きました。安藤さん曰く、丸太の年輪を見ればその木がどういう一生を送ってきたか分かるそうです。また、年輪の間隔、隙間、色つやなどでその木の価値も見極められると。とても素晴らしい技術です。しかし、木材の価格を聞いた時は唖然としました。例えば、4寸角柱用の丸太材が僅か1000円ほど。想像以上に安い..。何十年もかけて育て、やっとの思いで山から搬出してきた木材の価格がここまで厳しいとは。現在の林業は、数千万する高性能大型重機を何台も投入しないととても仕事にならないそうです。その経費と人件費に対して非常に厳しい価格。今後、施業の効率化や補助金のバランスをいかに考えるかが大きな課題とのことです


ヒノキの香りいっぱいの森林組合事務所


木材の価値に大きく影響する年輪


市場でのレクチャー

【フィールドワーク】講師:原田部長、安藤(久氏)さん
 午前中の講義を踏まえてのフィールドワーク。私は引き続き安藤(久氏)さんに引率頂いた。


旭地区にある唯一の製材所を見学



高性能林内作業車 一台数千万もすることに驚き


現在では廃校になってしまった築羽小学校には子ども達が育てた学校林があった


ナラ枯れの様子


間伐がされず暗く下草の生えない森 私有地であるが所有者の管理責任が問われる


間伐され光が入り明るくなった森 林床が下草で覆われる


シカ被害 雄が角を幹肌で研ぎ木を痛めてしまう その他様々な被害が増えている


豊田市の山間地に多く分布する地質 砂状で水を含むと崩れやすい


矢作ダム 上部に見える非常用吐水ゲートは2000年の東海豪雨の際に唯一解放された

以上で1日目は終了。