全域
2014.02.07

いなかとまちのくるま座ミーティング

2月7日
香嵐渓一の谷にて、「いなかとまちのくるま座ミーティング~地域づくりの新たな一歩~」が開催されました。

3つの分科会に分かれて行なわれた今回は、行政や森林関係者、地域で活動している方、いなかへIUターンしてきた方など、都市と農山村の交流やいなかの活性化に関わる方々約50名が参加し、各テーマごとの事例発表を聞いた上で、参加者自身の活動や疑問点などを出して交流や意見交換を行ないました。

私の好きなむら~1枚の写真で語る農山村の魅力~


話題提供者やコーディネーターに、自身が好きなむらに関わる写真を一枚選んでいただき、「なぜその写真を選んだか」をお話いただきました。

【トム・ヴィンセントさん】
写真:スペイン・フランス辺りの名も知らない田舎町の風景。電線や車はひとつしかみえない。まちで見かけるような看板はひとつもない。
なぜ好きか:地元の人が、「この風景が好きだから」と経済の波に乗らず、ずっと残されている風景だから。

【加藤栄司さん】
写真:足助地区在住の梶さん。
なぜ好きか:農山村の魅力は「人」。高齢化での取組や、森を切り開いて、交流をしながら仲間づくりをする「百姓」の人である梶さん。自身の転機となった人。

【西上ありささん】
写真:農山村で出会った人。
なぜ好きか:農山村の男の人は女の人になれていないため、ヒールを履いてPCを持った女性に対して上手く話せない。「こんにちは」の変わりに「気取りやがって」と言われた。一見不遜な地域の人に対して、言葉の読み返しができる人になって田舎に向かうことを学んだ。

【澁澤寿一さん】
写真:ダム建設によって沈んでしまった奥三面集落。
なぜ好きか:沈む前の調査で縄文以前、35万年も続いた歴史のある集落だと分かった。各家の入り口に幼児の入っている土器が出てきた。その集落では5歳以下で亡くなった子どもを家の前に埋めている習慣があった。その集落が沈む前に講演したところ、講演中に一人のおばあさんが立ち上がり「墓(遠く)に埋めては可哀想だから、家族の声の聞こえる場所に皆埋めていた」と伝えてくれた。愛や慈しみが、集落を続けさせることを学んだ。

テーマ①
地域の資源を見直そう!~農山村の資源を活用したビジネスモデル~

話 題 提 供 者 :トム・ヴィンセントさん((株)トノループネットワークス 代表取締役)、川村のり子さん((株)喜乃紀 代表取締役)
コーディネーター:加藤栄司さん(愛知県交流居住センター)


豊田市に繁茂している竹を有効活用していこうという、『Toyota Bamboo Project』の取り組みについてお話しいただきました。
現在、豊田市の竹林は愛知県内全体の2分の1、なんと1149haもの面積を占めている。東京で言えば山手線内側のおよそ5分の1。
竹林は森でもなく農地でもない、さらに伐っても一年間で立派な竹に生長してしまいキリがありません。そんな竹を活用して竹林整備や6次産業化を図ろうという動きが、いま豊田市山間部で起こっています。
竹センターをつくり、チップ・樹脂・繊維・工芸品・バイオマスへの利用など、たくさんの活用、さらには雇用を目指しています。
受講者からは、昔からの活用方法である火吹竹・鳥籠・歌舞伎舞台(客席)・笛などがあったとの声があがっていました。昔からのものを伝えていくと共に、繋げていく動きもみえてきました。

テーマ②
地域を変えるのは女子力だ!~女性のチカラでまちおこし~

話 題 提 供 者 :後藤妙子さん(道の駅「おばあちゃん市・山岡」駅長)
コーディネーター:西上ありささん(Studio-L IGA代表)


地元の女性が中心となって元気に活動している岐阜県「おばあちゃん市・山岡」の活動についてお話しいただきました。
年間60万人が訪れる道の駅の一割の売り上げを誇るおばあちゃん市では、9割が地元産の農産物を販売しています(通常の道の駅は4割が地元産)。ここでは対面販売を基調とし、地域資源の活用に力を入れ、ヨソの業者は一切入れていません。行政の力を借りず自分たちの力でやろうと、上の者だけでなく、みんなが意見提案できる環境を作り出し、働いている人みんなで店を作り出しています。

ここまで作り上げてきたキーとなるのは、ここで働く女性たち。半数が65歳以上です。みんな、主婦として築いてきた技術と知恵を持っています。リーダーはあえておじいちゃん(男性)に譲り、うわさ話や悪口は一切禁止、自分の商品だけでなくみんなが支えあってできるように努力を重ねています。
地域資源は自分たち。
小さなことやできることからやっていき、初期や今までの苦労も日誌などを活用して後世に思いを伝えることが、訪れる人に長く愛されていく秘訣なのかもしれません。

テーマ③
まちとむらが力を合わせて幸せづくり!~都市部の企業や地域の力と農山村の地域の力でお互いの問題を解決~

話 題 提 供 者 :倉島貞夫さん(住友ゴム工業(株)名古屋工場 総務担当課長)、近藤正臣さん(前・敷島自治区長)
コーディネーター:澁澤寿一さん(豊森なりわい塾 実行委員長)


豊田市旭地区のお須原山で「GENKIの森」として間伐と遊歩道整備を行なっています。
前・敷島自治区長が荒れた山(神社)をどうにかしたいと思っていたところ、CSRをしたいと思っていた住友ゴム(株)と出会ったことが活動のはじまり。今年で丸3年、4年目の活動になります。
間伐経験も植物や樹木のことも一切分からない森林初心者の住友ゴム社員たちでしたが、初めに参加した人たちの「よかった」の声がどんどん広まって現在の活動に至っています。

では、なにが「よかった」のか。

ただ木を切り、花を植えるだけではなく、知らないことを学ぶこと、体を使い汗を流しやりとげたときの達成感、終わったあとの地域の人たちの喜ぶ笑顔、地域の人たちとの会話や交流が「よかった」との声が聞こえているそうです。
地域住民からしても、過疎高齢化の集落の中での若い人たちとの交流、一度限りのイベントではなく何度も訪れてくれることで信頼も生まれています。社員の中には活動日だけではなく休日に訪れる人、田舎への移住を考える人も出ているそうです。
こういった、一町一社のCSR交流が広まっていくことを、前・敷島自治区長の近藤さんも願っています。

「はじめは男女の恋人のように確執やいざこざも生まれるかもしれないが、長く付き合えばやがて夫婦のように“いて当たり前”の関係が地域と企業でできたらいい。」「ボーイスカウトやガールスカウトはあまり戦力として貢献できないかもしれないが、田舎では子どもの声が聞こえるだけで地域が明るくなる。」
地域も企業も、はじめから上手くいくわけではない。お互いが手探りの状態から、協力し交流し合っていくことが重要だと、これからの指針を示していただきました。(安藤)