市外
2013.11.24

豊森なりわい塾公開講座「集落の未来~加子母に学ぶ地域づくり~」

11月24日(日)
 「集落の未来~加子母に学ぶ地域づくり~」と題して、豊森なりわい塾公開講座が旭交流館にて開催されました。元加子母村長 粥川眞策氏、(株)中島工務店社長 中島紀于氏を招き、村の取り組みなどを伺いました。


 まずは、豊森なりわい塾三期生でもあり加子母地域おこし協力隊・日吉沙絵子さんより、加子母の紹介がありました。加子母では、以下のような取り組みが行なわれています。

●加子母村づくり協議会(国道の花の育成)
●加子母ツアー(食文化などを伝える)
●域学連携(大学と連携、学生を生かした地域づくり)
●木匠塾(合宿型建築実習)
●加子母明治座(地歌舞伎・クラシックコンサート)
●ふれあいのやかたかしも(宿泊研修交流施設)
●ミニコミ誌「かしも通信」
●聞き書く「加子母人」


つづいて、中島工務店社長・中島紀于氏の講演。
 電車もない、恵まれていない、そんな無い無いづくしの村で「食ってく」為に「自分で何でもやってやる」からこそ、皆で互いに助け合う関係があり、儲からんでも人生をかけて仕事に取り組んでいる。恵まれんほど、強くなることができる。
 現在、加子母の人口は3100人。全員が顔見知り。加子母に暮らす人が居なくなると、加子母の自然を守る為には税金を幾らつぎ込んでも足りない。地歌舞伎をやりたいからと村に残る若者や、Iターンで田舎に移り住んだ若者たち。彼らが昔ながらの伝統に取り組むことで、地元の人たちが古いものの価値観に気づくことができる。自然を守るDNAを持った加子母人が暮らし続けられるように取り組んでいる。

そして、 元加子母村長 粥川眞策氏
 村づくりは人づくり。村づくりの目的は、村人のアイデンティティの確立。いいと思ったことは、すぐに変えるべき。
 「良く学び良く遊び」良く学びは大人の知識、良く遊びは子どもの知恵。子どもの知恵を持った大人を育てる事が必要。教育はもっと柔軟性を持って取り組むことが重要。
 田舎に都会の人が来ることで、地域の大切さに気づき、田舎がより田舎らしくなる。
 多くの学者や研究者が来訪するが、ひと目見てのヒノキとサワラの違いや、過去この土地に生えていた木の存在を、みな分からない。加子母で生まれ、暮らした経験が身についている。

 とてもパワフルで熱い想いのお二人(粥川さんはなんと89歳!)に触れ、とても充実した時間でした。まだまだお話が聞き足りない(中島さんはきっと語り足りないでしょう)ので、今度はこちらから加子母にお伺いしたいと思います。(安藤)

加子母とは・・・
岐阜県中津川市加子母(旧・加子母村)は岐阜県東部の長野県境に位置し、江戸時代は尾張藩領であった。総面積は115k㎡の南北に長い山間地で、標高は430~720m。地域の94%が山林で、東濃ひのきの主産地である。地区の東部は国有林の木曽ひのき備林(旧神宮林)であり、伊勢神宮や法隆寺、名古屋城などで使われるご用材を守り育てている。トマト、ナス、肉用牛などの生産が盛んで、地歌舞伎の伝統文化も残る。