新型コロナウィルスの影響下でも つながる力で未来を変える!~農に関するマッチングをご紹介

米の計量、梱包などの作業に大わらわのデイサービス型地域活動支援センター畦道スタッフと利用者の皆さん

新型コロナウイルスで以前のような外出、消費活動が難しい状況が続いています。山村地域の生産者の皆さんにも様々な影響が出てきました。
おいでん・さんそんセンターは、つなぐことで課題を解決につなげる機関です。関係するみなさんのご協力があり、コロナ禍中の困難な状況を少し和らげるマッチングを5月に実現させることができました。2件についてご紹介します。
 

中山間地域農業×スーパーやまのぶ

中山間地域には自然に寄り添った暮らしを志す、小規模・家族経営の農業者が何組もいます。彼らはただ農作物を作ることを生業としている以上に、中山間地域の土地を保全し景観を維持していくための大きな担い手となっています。

平地のような大規模栽培は山際の農地には難しいので、小規模多品種で消費者と直接「つながり」を大切にしながら、安心安全なお野菜を届けたいという方が多いのも特徴です。そんな農家さんたちのネットワークを作り、課題の見える化や学び合いの機会にしようと、1年前からおいでん・さんそんセンターでは食と農専門部会を開いています。

食と農専門部会でコロナ禍の中山間地域への影響を調べました。そして、飲食店の休業やマルシェの中止により、それらを主な販売先としていた農家さんたちの出荷先が、一斉にストップするという前代未聞の事態になっていることが分かりました。一方、市街地のスーパーでは有機栽培・減農薬をうたった野菜が飛ぶように売れ、夕方には売り切れている状況でした。この混沌とした3か月間の間に、多くの方が求めたのが安全・安心な食材だったのです。

自然は待ってくれません。「困った」と言っている間に、野菜たちはどんどん育っていきます。
おいでん・さんそんセンターでは、市内近隣で7店舗を展開するスーパーやまのぶに相談させていただきました。スーパーやまのぶは、安全・安心なお野菜ブランド「ごんべいの里(※)」を推進しており、中山間地域の農家さんの思いと合致するのではと考えたからです。

その結果、足助で営農する徳八農園の野菜を、「ごんべいの里」コーナーで扱っていただけるようになりました。ただし、持ち込んだ野菜を全部並べられたわけではありません。全国の選りすぐりの野菜と比較された上で「これならごんべいの里に」と選んでもらえたとのこと。今まで消費者の皆さんに「美味しい」とは言われてきましたが、プロの方からの厳しいながらも愛のある専門的な指摘は大変参考になったそうです。


徳八農園のお二人

珍しい野菜を栽培し飲食店業界で人気の徳八農園さんですが、コロナ禍がなければスーパーとつながることもなかったということで、良い機会となったようです。今後、他の中山間地の農家さんも続くかもしれませんので、楽しみにしていてください。

個人・家族経営の農家が多い中、生産者と販売者という両面の役割を担うのはとても大変です。おいでん・さんそんセンターの「つなぐ」機能が解決の一助になる事例となりました。

スーパーやまのぶ会長やバイヤーさん、農家の皆さん、おいでん・さんそんセンタースタッフで面談する中で多くの学びもありました。気候温暖化による夏場の夜間の気温が下がらないことから、大きく表面化していないが米栽培が愛知県の平野部で厳しくなっていたり、夏に定植する秋野菜も採れにくくなってきている現状など、生産地として中山間地や高原の役割が今後より重要になるだろうということでした。スーパーにはいつも全国から野菜が集まって並んでいます。それゆえ気づかない自然界のリアルを、たくさんの人たちと共有することの重要性を感じました。

実際に土を触り植物が育つのを見て感じ、私たちは今後どういう選択をしていくのか真剣に考える時に来ているのではないでしょうか。今回のコロナ禍はその機会をくれたように思います。(小黒敦子)


やまのぶに並んだ徳八農園の野菜

(※)ごんべいの里のすべての野菜は以下の基準が守られています。
1.除草剤は一切使用していません
2.病害虫防御には木酢又は食酢を使用
3.収穫から店頭までも水洗いのみで薬品は一切使用しません。(スーパーやまのぶ HPより)

朝日丘コミュニティが旭の米購入支援

昨年度より、旭地区産のお米(標高ミネアサヒ)を、つくば元気クラブ(松嶋利光会長)が県の旭高原少年自然の家や市の観光施設元気館に出荷、年間120俵(7・2トン)の需要を見込む地産地消の取組がスタートしました。

ところが、新型コロナウイルスによる米の利用施設の長期休業で約70俵(4・2トン)のお米が販路を失いました。また、「つくばの里梅まつり」、「上中のしだれ桃」などの観光イベントも全て中止となり、五平餅や漬物の売り上げも激減。つくば元気クラブは途方に暮れ、おいでん・さんそんセンターに相談が寄せられました。

窮状を知った旭交流館が、市町村合併以来15年にわたり「あさひ」の地名にちなんで「旭&朝日丘交流事業」に取組んできた縁を頼りに、朝日丘地区コミュニティ会議(渡邉教会長)に支援を呼びかけ、米などの購入支援が決まりました。

朝日丘地区10,915世帯に「支援のお願い」が回覧され、朝日丘交流館が注文を電話などで受け付けています。
支援の輪は広がり、交流館などを管理する文化振興財団の職員互助会(宮川龍也会長)、職員による購入支援を決めていただきました。  
また、一気に広がった小口需要に対応するための、計量、袋詰め、ラベル貼り、梱包などの作業をデイサービス型地域活動支援センター「畦道」が担うことになり、施設利用者、スタッフは大わらわの毎日となっています。

施設を運営するNPO法人みちの代表、今枝美恵子さんの「都市と山村が支え合い、課題を解決するお手伝いができることにみんな喜びを感じて作業に取り組んでいます。誰もが住み慣れた地域で輝ける日常が早く戻って欲しいです」のコメントに共感を覚えました。(鈴木辰吉)