いなかとまちの交換日記withコロナ〜ローカルメディア縁側で公開

2020年が明けたとき、誰がこの状況を予想できたでしょうか。新型コロナウィルスの登場により、私たちの生活は激変しました。

リモートワーク、子どもたちの休校、外出自粛。

この原稿を書いている6月下旬現在は、外出の制限も少し緩み始めています。マスクや手洗い、ソーシャルディスタンスなどの新しい生活様式と呼ばれるスタイルを条件に、外に出かけることができるようになってきました。

日々、刻一刻と変わる状況に戸惑いを覚えることがあります。この変化、変化に伴う人々の実感。これを記録し、共有することが大切なのではないかと考えました。

そこで、3月23日に、(一社)おいでん・さんそんがスタートした「とよたでつながるローカルメディア縁側」で、『いなかとまちの交換日記withコロナ』という企画をし、5組10人の方たちに日記風のコラムを書いていただきました。ペアになったのは、それぞれ豊田市の都市部と山村地域に住んでいる方たちです。皆さんの交換日記から、コロナ禍の日々をどう過ごしているのか、今後についてどう感じているのかなどが浮かび上がってきました。

今回、その内容をダイジェストでお伝えします。

長坂真理子さん(下山地区)×渡辺陽子さん(高橋地区)  


1組目は、下山地区の曹洞宗常楽寺に生まれ、現在4歳、2歳、0歳の子育てに奮闘中の長坂真理子さんと、高橋地区にある浄土真宗守綱寺若坊守であり、高3、高1、中1の子育てがそろそろ一段落しそうだという渡辺陽子さんの交換日記です。

長坂さんの住む下山地区は、例年通り新緑の眩しい季節がやってきましたが、お寺はいつもと違う様子。予定されていたコンサートや法要は中止になりました。

長坂さんは、檀家さんに宛て、手紙を月1回出しています。そんな長坂さんを横目に、いつもと変わらないのが、子どもたちの様子。学校が休みでも外を駆け回り虫を捕まえ、図鑑で調べる姿を伝えてくれました。

渡辺さんのお寺では、法要は密になるのを避けながら行ったものの、他のイベントは全て中止に。暇な時間を埋めるように励んだ草取りと竹藪の整理で、「自然に勝とうなんて思っちゃいけない」ことに気が付いたと書いています。

泉澤博安さん(稲武地区)×稲熊真佐子さん(挙母地区)


二組目は、稲武地区のホテル岡田屋代表取締役の泉澤博安さんと、挙母地区の豊田プレステージホテル代表取締役の稲熊真佐子さんの交換日記。コロナの影響で、宿泊業は大きな打撃を受けています。そんな中でも、稲熊さんは、お客様から「来年を楽しみにしています。頑張ってください!」とメールをもらい、大いに励まされたと書いています。

泉澤さんは、以前から検討していた檜風呂の改修を行ったけれど、相次ぐキャンセルに消沈していると書いています。しかしここ近年での稲武地区の観光における変化に言及し、必ず復活すると信じてやっていくと締め括っています。

鈴木孝典(小原地区×永田ゆかさん(高橋地区)  
 


三組目は、小原地区のデザイナー・スズキ広務店の鈴木孝典さんと、高橋地区のカメラマン・永田ゆかさんの交換日記です。鈴木さんは、「野草をおいしく食べる本」を購入し、身の回りに生える野草を採って天ぷらにしたそうです。

鈴木さんによれば、美味しいランキング1位は、「セイタカアワダチソウ」。もう次に食べるのは遠慮したい1位は「よもぎ」。それぞれに特徴ある味について伝えてくれました。

永田さんは、Youtubeの試聴時間が長くなり、お気に入りの番組を見つけたこと、そして3月からネガフィルムをアナログカメラで撮影しているということで、5月までに撮影した写真を8枚提供してくれました。

鈴木桂子さん(旭地区)×犬飼詩織さん(挙母地区)  


四組目は、挙母地区で、ゲストハウス&コミュニティレンタルスペースKabo.を営む犬飼詩織さんと、旭地区で農家民宿ちんちゃん亭を営む鈴木桂子さん(現在は休業中)の交換日記。 

犬飼さんは、コロナの影響でお店をしばらく閉めていたけれど、「動き続けていた」ことを綴ってくれました。オンライン酒蔵見学ツアーを企画したり、畑をやったり、商店街の人たちと新しい企画を練ったり、コロナ以前に培ったつながりがあってこそコロナの日々にできることがあると感謝の気持ちを書いています。

鈴木さんは、ちんちゃん亭でたくさんのお客さんたちと様々な体験をしたことを振り返ります。現在休業中で、時間があるからこそ、暮らしの足元にある自然の豊さに気づくことができる。しかし人との濃密な関わりがない日々に寂しさを感じ、新しい生活様式が続くのではなく、元のように「密」な関わりができることを熱望していると言います。

清水潤子さん(足助地区)×若杉理恵さん(高岡地区)  


五組目は、足助地区で山里カフェMuiを営むハンターの清水潤子さんと、高岡地区で劇団カレイドスコープの代表を務める若杉理恵さんの交換日です。清水さんは、コロナ禍でもあ
まり変わらない、けれども例えば筍が大きくなる前に掘り取るための巡回で忙しい田舎の日々を伝えています。まちからカフェに来るお客さんたちが、田舎の解放感に癒される様子を見て、「足助に来てもらってよかった」と実感しています。

若杉さんは、ステイホームの機会に、断捨離を決行。戸棚の中から、見覚えのない未開封のパソコンモデムが出てきて、びっくりしたこと、新しい劇の台本を完成させて清水さんに見せに行きたいことを書いています。

今まで経験したことのないコロナウィルスとの日々。時に不安になること、でも今やれる精一杯のことをやっていきたいこと。五組の交換日記を読んで、みんな同じように試行錯誤しながら毎日を過ごしていることがわかり、少しほっとしたような気持ちになれたのは私だけではないと思います。全文を読んでみたい方は、ぜひ、下記URLにアクセスしてみてください。(木浦幸加)

とよたでつながるローカルメディア縁側
https://engawa-toyota.com