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中部電力パワーグリッド㈱が山村地域と連携して支障木伐採

~企業と地域のマッチングによるライフライン保全~

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豊田市の山村地域では、台風や豪雨などにより倒木や枝の落下で、電線が切断されるなど、ライフラインを脅かす支障木の被害が年々増えています。こうした課題に対し、中部電力パワーグリッド株式会社(以下、中部電力パワーグリッド)豊田支社は、山村地域の安全を守るための伐採活動に継続的に取り組んでいます。この活動は、山村地域の団体である旭木の駅プロジェクト実行委員会(以下、旭木の駅)とのマッチングにより実現しており、企業と地域による新たな連携モデルとして注目されています。今回は、2025年12月3日に実施された活動を中心に、その背景やねらい、地域に生まれた変化をご紹介します。

【活動の概要】

12月3日の活動には、中部電力パワーグリッド・豊田支社から指導員1名と班長2名、若手社員7名、の計10名が参加しました。現場は豊田市旭地区・敷島自治区内の一車線の市道沿いで、急斜面で下には河川があるなど、住民だけでは対応が難しい場所です。この日は高所作業車2台、トラック2台、パッカー車1台を配備し、ガードマン2名を含めた万全の体制で実施。高さ15mを超える立木の伐採を約150mにわたり行いました。若手社員たちは、ベテラン社員の指示を受けながら高所作業車の操作やチェンソーの扱いを実習し、手際よく作業を進めていました。資材回収にパッカー車を活用することで、往復運搬を減らし効率化にもつながりました。

現場を指揮した配電建設グループの宮戸政良さんは、「地域と連携することで大変スムーズに活動が進んでいます。配電線の安全性が確保できるだけでなく、『道路に日が当たるようになって凍結の心配が減った』『街灯が見えるようになって道が明るくなった』といった地域の声が励みになります」と話します。電気の安定供給だけでなく、暮らしやすさの改善にもつながる活動となっています。

伐採した枝葉を刻み、パッカー車に積み込む
(2025年12月活動時)

【企業・団体側の動機やきっかけ】

両者の協働による初めての活動
(2022年6月活動時)

豊田市内には、平野部から山あいの集落まで広範囲にわたって配電設備が張り巡らされており、特に山村地域では一本の倒木で長時間の停電につながることもあることから、中部電力パワーグリッドは「山村地域のライフライン保全」に課題を持っていました。その中で、おいでん・さんそんセンターに地域の森林資源の活用や流通に携わってきた団体で、土地所有者とのつながりや地域ネットワークを持っている「旭木の駅」を紹介され、話し合いを重ねた結果、旭木の駅のネットワークを活用して、中電PG社が支障木の伐採を行うこととなりました。

ライフラインの保全は中部電力パワーグリッドと地域の双方が同じ思いだったことで、協働体制が形づくられ、現在の継続的な取り組みへと発展しました。こうした取り組みが実現した背景には、中部電力パワーグリッドの現場を理解して、地域と一緒になって課題解決をしていく体制づくりが大事という思いが原点となっています。

【実現した理由】

取り組みが順調に進んでいる背景には、中部電力パワーグリッドと旭木の駅のそれぞれの強みを生かし、確かな協力関係を築いていることがあります。中部電力パワーグリッドは伐採作業の計画、伐採の実施を行い、旭木の駅は地域や土地所有者との調整、現地での立会い、伐採木の受け入れや搬出といった実務面を支えています。さらに、おいでん・さんそんセンターが行政や関係者間をつなぐ調整役として機能することで、それぞれが専門性を発揮しながら、単独では成し得ない、実践的で継続可能な仕組みが生まれました。

高所作業車で予防伐採を行う若手社員
(2024年2月活動時)

【地域との関係性】

作業後に談笑する高山委員長(左から2番目)と社員の皆さん
(2024年11月活動時)

旭地区では、近年の大雪により数日間停電した事例もあり、住民にとって電力の安定供給は命に関わる問題です。そのため、こうした活動への期待や感謝の声は大きく、地域との関係性も年々強まっています。旭木の駅の高山治朗実行委員長は「山村地域は一度ライフラインが途切れると孤立の危険がある。自分たちでも守る意識はありますが、人口が減るなか企業の力は欠かせません」と話します。また、伐採木のうち有用な材は旭木の駅が寄付材として受け取り、地域内で活用されています。単なる伐採作業ではなく、森林資源の循環や暮らしの安心につながる取り組みとして根づいています。

【社内の反応】

中部電力パワーグリッド内でも、この取り組みは「地域と協働した先進的なモデル」として高く評価されています。電力の安全供給は中部電力パワーグリッドの使命ですが、近年は地域との関わりや共生の視点がより重視されており、山村地域の課題を現場で学ぶ経験は社員にとって貴重な機会となっています。

若手社員にとっても、都市部とは異なる環境を理解しながら実践的に伐採経験を積むことで緊急時の対応力が高まり、地域の方々との交流を通じて業務の意義を実感できる機会となっています。

県道沿いでの伐採作業の様子 / ビフォー(作業前)
(2024年4月活動時)
アフター(作業後)

【やってみてどうだったか?今後は?】

宮戸さんは「地域や行政と連携しながら円滑に取り組めていることに感謝しています。今後も継続し、さらに他地域にも広げていけたら」と語ります。山村地域の安全を守ることは、中部電力パワーグリッドにとって単なる社会貢献ではなく、企業の使命そのもの。地域と共につくる持続可能なライフライン保全のモデルとして、今後さらに発展が期待されます。

山村地域の住民、企業、そして地域団体が力を合わせることで、地域の安全と暮らしを支える新しい形のパートナーシップが生まれています。この取り組みが、豊田市全体の安心と持続可能な未来につながることを願っています。

息を合わせ、絡まった蔓を切り落とす
(2022年6月活動時)
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